おねしょ(夜尿症)
おねしょ(夜尿症) の多くは排尿機能が発達するにともなって解消されていきますが、なかには排尿機能、腎臓、神経に問題があるため起こっているケースもあります。おねしょで困っているのは、ご家族はもちろんですが、一番はお子さんご本人だと思います。
原因を明らかにするためにも、おねしょが続くようならお気軽に当クリニックへご相談ください。
おねしょの治し方①
おねしょはその子の性格や、育て方に関係なく起こるものです。過度に心配せず、焦らずゆっくりと解消していくようにしましょう。
まずは、生活習慣、日常の行動を見つめなおすことから始めましょう。
- 就寝前に排尿を済ませる
- 夕食前後の飲みすぎに注意
- 規則正しい食生活
- 心理的不安を減らす
- 便秘に気をつける
など
おねしょの治し方②
おねしょは薬を使って治療することもあります。また、“アラーム療法”という方法を用いることがあります。
薬物療法
膀胱機能を安定させたり、尿量を減少させたりするお薬を使用します。
アラーム療法
水分を感知するセンサーを下着に付けて、おねしょした時にアラームを鳴らして目覚めさせる方法です。子どもにおねしょを自覚させることで、改善に繋げます。
子どもの蛋白尿
蛋白尿とは尿に蛋白が混ざっている状態を言い、見た目で判断することは難しく、尿検査(学校検尿)で見つかることが多いです。
症状や見た目
- まぶたが腫れぼったい
- 尿が少ない、色が濃い
- トイレに行く回数が少ない
- 尿が泡立つ
- 足がむくんでいる
など
蛋白尿の原因は
ストレス?病気?
種類と原因は
治療の必要がない“生理的蛋白尿”と、病気が原因で起こる“病的蛋白尿”に分けられます。
生理的蛋白尿
基本的には治療の必要がない蛋白尿です。
一過性蛋白尿
激しい運動や発熱、脱水などにより一時的に出る蛋白尿です。治療の必要はありません。
体位性蛋白尿
(起立性蛋白尿)
思春期を迎えて痩せているお子さんに多くみられる蛋白尿で、基本的に治療の必要はありません。
病的蛋白尿
何らかの病気が原因で起こる蛋白尿で、治療が必要なことがあります。
腎炎
腎臓に何らかの炎症が生じ、蛋白尿や血尿が出る他、むくみ、体のだるさ、頭痛などが起こります。早朝に瞼・顔のむくみがある場合や、尿の回数が少ないなど、気になる症状があればご相談ください。
ネフローゼ症候群
多量の蛋白尿が出ることで、全身のむくみ(特にまぶた、すね)、腹痛、嘔吐などの症状が現れます。入院してステロイドの全身投与が必要になりますので、すぐに受診するようにしてください。
子どもの蛋白尿は何科を受診すればいいの?
学校健診などで子どもが尿蛋白を指摘された時は、小児科を受診するようにしましょう。数回の尿検査を行って尿の状態を確認したうえで、適切な治療方針をご提案します。
蛋白尿の治療方法
腎炎やネフローゼ症候群が疑われる場合には、まずは入院加療で原因精査が必要です。原因によって、ステロイドの投与や血液をさらさらにする薬、ときには免疫抑制薬などを使って治療します。
子どもの血尿
尿に血液(赤血球)が混ざった状態を血尿と言い、目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)もあれば、尿検査をしてみないとわからないもの(顕微鏡的血尿)もあります。
血尿が出る原因
血尿は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかで異常あり、赤血球が尿に混ざることで起こります。
血尿が出た時の
検査方法
顕微鏡的血尿
尿検査しなければわからない血尿を“顕微鏡的血尿”と言います。少量の血尿であれば、数回尿検査をするうちに改善していくことがあります。悪くなっていくようであれば、腹部エコー検査で腎臓、膀胱に問題がないか、石はできていないかなどを調べます。
高カルシウム尿症
高カルシウム尿症が原因で血尿が出る場合がありますので、尿中のカルシウムを調べることで明らかになります。
良性家族性血尿
ご家族にも少量の血尿が認められる場合、先天的に腎臓の血管壁が薄いことで起こる良性家族性血尿の可能性があります。
血尿と蛋白尿が出る場合
糸球体腎炎の恐れが高いため、病院を紹介して精密検査を受けていただく場合があります。
亀頭包皮炎
亀頭のまわりを覆う皮のことを包皮(ほうひ)と言い、この亀頭と包皮の間で炎症が起こった状態を亀頭包皮炎と言います。
症状
- おしっこをすると痛がる
- 陰部を触ると痛がる
- 陰部が腫れている
- 膿(うみ)が出る
など
原因
お子さんはいろいろなところを触るため、ブドウ球菌などの細菌が付いた手で陰部を触ることで感染して炎症が起こります。
ご家庭での対処方法や注意点
陰部を直接触らないようにすることが大切です。入浴時に身体と同じように洗うだけで問題ありません。決して陰部の包皮をむいて洗わないでください。陰茎が嵌頓(かんとん)(包皮が戻らなくなって陰茎の色が悪くなる)する可能性があります。
尿路感染症
尿道口から細菌が侵入し感染することで起こります。風邪の症状がないにもかかわらず熱が出る、機嫌が悪くなるなどの症状が現れます。
症状
- 発熱
- 機嫌が悪くなる
- おしっこをすると痛む
- 血尿
など
原因
細菌、ウイルスが膀胱、腎臓まで進入することで起こります。原因菌として大腸菌が多いため、便からの感染に注意してください。
治療方法
抗菌薬を内服することで治療ができます。しかし、内服薬だけでは改善しない場合、点滴による抗菌薬治療が必要になるため入院加療となります。同時に、尿路感染をきたした原因検索をすることで、尿路感染を繰り返すことがないかを調べます。
治療後の経過観察に
ついて
初めての尿路感染の場合、治ってしまえば通院をする必要はありません。ただし、繰り返し起こるようであれば、原因検索のための専門病院を紹介しますのでご相談ください。
救急受診の目安
救急受診の目安として、こちらのサイトもご参考にしてください。