子どもが胸を痛がる…
胸痛は4歳ごろから現れる症状で、多くは思春期に起こります。原因がはっきりしないことが多いですが、中には心臓や血管の異常で起こることもあります。
お子さんが胸の痛みを訴えている際には、「胸痛が起こっている場所」「痛み出すタイミング」「どのような痛みなのか?」「どのくらい痛みが続くのか?」を確認し、当クリニックへご相談ください。
子どもの
「胸が痛い」原因は?
子供の胸痛の原因は、肋(軟)骨や胸骨といった骨の痛みであることが多く、次いで、呼吸器系(気胸など)、心因性によって起こることがあります。問診と診察に加えて、当クリニックではレントゲン検査、心電図検査、心臓超音波検査で精査できますので、ご不安はすぐに解消されます。
子どもの胸痛の原因 | 割合 |
---|---|
胸壁 | 約50~80% |
呼吸器 | 約10~20% |
心因性 | 約10% |
心臓、けが、消化器 | 約5% |
小児の胸痛で
考えられる病気
その他の心疾患
急性心筋炎、心膜炎、心内膜炎、心外膜炎、心筋症などの心臓の病気が原因で胸痛を引き起こすことがあります。
消化器疾患
胃炎や逆流性食道炎などの消化器の病気により、胸痛が起こることがあります。
呼吸器疾患
気胸、過換気症候群、肺炎などの呼吸器の病気により胸痛が起こることがあります。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる病気で、胸部でピリピリとした痛みが起こることがあります。
帯状疱疹は50歳以上の方に多くみられる病気ですが、最近は若い方の間でも増えていて、小学生・中学生にも時々みられます。
前胸部キャッチ症候群
きっかけのない突然の息もできないくらいの胸の痛みがあり、数秒~数分で症状は治まります。検査上は特に異常を認めません。思春期に多く、成人になると消失するため、特別な治療は必要ありません。
心因性(ストレス・
精神疲労)
ストレスや精神的な疲労がたまって、胸が痛むようになることがあります。検査を行っても原因が見つからない場合、心因性であると推定されます。
子どもの「動悸」
「心臓のドキドキ」の原因
緊張して心臓がドキドキすることがありますが、理由もなく急にドキドキを感じたり、脈拍が速くなったりする時、心臓や血管の病気が原因の場合があります。
小児貧血
小児貧血とは子どもに起こる貧血のことで、動悸・心臓のドキドキをともなう場合、鉄欠乏性貧血の可能性があります。
成長期に起こることが多く、普段の食事で鉄分をしっかり摂ることが重要です。時には鉄剤の内服が必要になることもあります。
WPW症候群
学校検診の心電図検査で指摘されることがあります。突然の動悸、胸痛を感じ、突然ピタリと止まる発作が起こることがあります。場合によっては治療が可能な施設へ紹介することもあります。
受診のポイント、
タイミング
子どもが「胸が痛い」「動悸がする」「心臓がドキドキする」と訴えている場合、どのタイミングで受診すれば良いのでしょうか?また、受診時にどんなことを伝えればいいのでしょうか?
「胸が痛い」と訴える場合
子どもが「胸が痛い」と訴えていても、短時間で繰り返すことがなければ、基本的には様子を見てかまいません。しかし、痛みが強かったり、長く続いたりする場合には当クリニックへご相談ください。
動悸(ドキドキ)がする場合
動悸が起こっている原因を確かめるために、心電図検査を受けていただきます。動悸中であればすぐに原因を特定し、診断することができます。さらに、治療法、今後の対応について詳しく説明させていただきます。
心臓に不安をお持ちの方はお気軽にご相談ください。
症状のポイント
- 胸のどの部分が痛むのか?
- どんな時(安静時または運動時)に痛みが起こるのか?
- 痛みの種類(チクチク、ピリピリ、ギューッと締め付けられるようななど)
- 痛みがどのくらい続くのか?