赤ちゃんに多い
「卵アレルギー」について
卵は乳児期アレルギーの半分を占めます。次いで牛乳、小麦がアレルギーの原因となっています。卵のなかでもアレルギーが起こりやすいのは卵白です。
鶏卵を含む加工食品
- マヨネーズ
- かまぼこ
- ハム、ウインナー
- 洋菓子(クッキー、プリン、アイスなど)
- 菓子パン
- 鶏卵をつなぎに使用しているハンバーグ
など
卵アレルギーで起こる
主な症状
- 蕁麻疹(じんましん)
- 口の周り・身体全身の赤み
- 咳
- 鼻水、くしゃみ
- 嘔吐
- 喘息
- 息苦しさ
など
卵アレルギーの検査方法
血液検査
血液中の卵に対する特異的IgE抗体価と、加熱した卵でもアレルゲン活性を失わないオボムコイドの抗体価を調べます。オボムコイドの抗体価の上昇がない場合、しっかり加熱した卵料理は摂取できる可能性が高いため、卵の完全除去は不要です。
食物経口負荷試験
基本的には日帰りで行われる試験となります。固ゆで卵を少量から摂取し、徐々に増量し、実際に症状が出現しないか確認します。症状が出なければ、引き続きご自宅でも同量を摂取していただきます。一定量摂取できるようになれば除去解除になります。
卵アレルギーの治療方法
卵アレルギーの治療方法として最も重要なのが、“原因物質の必要最小限の除去”です。アレルギー症状がある場合でも、症状が軽いケースでは、調理方法や食べる量を調整して、一定量の摂取を継続します。
ただし、アナフィラキシーショックが起こるような重症なケースでは、卵の完全除去が必要になります。
どれくらいで治るの?
卵アレルギーは新生児から年長くらいまでのお子さんによくみられますが、小学生・中学生になる頃には徐々に卵が食べられるようになります。
摂取のタイミング
卵に限らないことですが、ご家庭で初めての物を食べさせる時は、万が一の事態に備えて、すぐにクリニックを受診できる時間帯(日中~夕方まで)に行うようにしてください。
赤ちゃんの卵アレルギーを
予防するには
1離乳食の開始を遅らせない
離乳食は生後6か月前後から開始します。近年の研究では、離乳食の開始を遅らせないほうが食物アレルギーの発症を抑制できると考えられています。体調の良い平日の日中に、少量の加熱卵から開始してみてください。
2アトピー性皮膚炎の
早期治療
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下している病気ですので、アトピー性皮膚炎があると、アレルゲンの経皮感作(皮膚がアレルゲンに反応すること)から食物アレルギーが発症しやすくなります。卵アレルギーの予防と同時に、アトピー性皮膚炎の早期治療が重要となります。
救急受診の目安
救急受診の目安として、こちらのサイトもご参考にしてください。