子どもの発熱
子どもは大人よりも平熱が高いため、体温が37.5℃以上の場合に発熱症状と診断するのが一般的です。熱が高いと心配になりますが、発熱以外の症状(元気がない、水分/食欲不振など)がないか注意が必要です。
繰り返す発熱は
大丈夫?
子どもが発熱を繰り返すのはよくあることで、また午前と午後で体温は違います(午後の方が高い傾向にあります)。そのため、1日通して平熱が続いて初めて「熱が下がった」と言えます。
前日の夜間に発熱した場合は、翌朝に熱がなくても午前中に小児科を受診していただくか、お昼にかけて発熱が上がってこないか自宅にて観察が必要です。
受診の目安
次のような症状が1つでもある場合、すぐに小児科を受診してください。
- 38.0℃以上の発熱(生後3か月未満の赤ちゃんの場合)
- 顔色が悪い
- ぐったりして元気がない
- 息苦しそうにしている
- 呼びかけても反応がない
- ぼーっとしていて、意識が薄い
- 吐き気・嘔吐
- 頭痛
- 水分、食事が摂取できていない
- 痙攣
など
このような症状がない場合でも、3日以上、発熱が続く時には早めに受診してください。
子どもの発熱の原因
生後しばらくはお母さんから受け取った免疫が体を守ってくれますが、生後4-5か月ごろからその免疫が弱まり、発熱しやすくなります。子どもの発熱の原因の7-8割はウイルス、2割程度が細菌の感染です。ウイルスには症状を和らげるお薬を内服し、最終的には自分の免疫力で治ります。細菌には有効な抗菌薬を内服することでより早く治すことができます。
発熱する
病気の例
- かぜ
- インフルエンザ
- コロナウイルス
- 突発性発疹
- 麻疹(はしか)
- 風疹
- 溶連菌感染症
- 手足口病
- ヘルパンギーナ
- 尿路感染症
- 気管支炎
- 肺炎
- みずぼうそう
- 川崎病
- 中耳炎
- プール熱
など
子どもの発熱時の
対処法
水分補給をしっかりと
発熱により多量の汗が出ると脱水症状を起こす恐れがありますので、十分に水分補給するようにしましょう。
安静に過ごす
熱がある時は体力が消耗しないよう、安静に過ごすようにしましょう。
厚着をさせすぎない
発熱当初は寒気がすることがありますので、衣類や布団で温めてあげましょう。その後、熱が下がったら衣類・布団を減らします。ずっと厚着をさせないように注意しましょう。
解熱剤の使用方法
発熱があっても食事ができ、よく眠れている場合には、解熱剤は使う必要はありません。ただし、食事・水分が摂れない、夜眠れないようなら、解熱薬を使うことで身体を少しでも楽にしてあげましょう。
子どもの咳、咳が続く
子どもは大人よりも体が小さく、空気の通り道が細いため、鼻水などの少量の分泌物が多くなるだけで咳が出ます。
咳が長引いていて心配な時は、他に症状がないか(発熱、ゼーゼーしているなど)、咳が出やすい時間帯などをお伝えください。咳の原因を診断する際の手がかりとなります。
咳の原因によって内服薬が異なりますので、一度当クリニックへご相談ください。
受診の目安
次のような症状がある時は、すぐに小児科を受診してください。
- 機嫌が悪い
- 顔色が悪い
- 肩で呼吸している
- 呼吸するたびに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と音がする(喘鳴)
- 咳のせいで眠れない
など
このような症状がない場合でも、咳が2週間以上続く時には早めに受診してください。
子どもの咳が出る
原因と考えられる病気
風邪
ウイルスに感染すると2~3日程度で鼻水などの症状が出て、その後、咳をするようになります。
クループ症候群
1~3歳ごろの子どもによくみられる喉の炎症で、「ケンケン」や「オゥッオゥッ」という低音の咳が出るのが特徴です。夜間に増悪することがあるため、吸入治療や内服薬を処方しますので受診してください。
後鼻漏
鼻水が喉に流れ込んで、痰がからんだような咳が出ます。
夜寝ている時に2~3時間おきに咳込みますが、日中はそれほど咳が気にならないことが特徴です。鼻汁が出るのを和らげる薬を内服することで症状が改善します。
気管支炎
風邪が原因となって気管支で炎症が起こり、分泌物が増えることで咳が出ます。徐々に「ゴホゴホ」という痰がからんだような咳が出ます。気管支の炎症が肺まで及ぶと、肺炎となり入院加療が必要になることがあります。
肺炎
肺炎にかかると咳だけでなく、発熱や痰などの症状も現れます。呼吸困難を起こすこともあるので注意が必要です。
気管支喘息、
喘息性気管支炎
風邪をひいていないにも関わらず、呼吸するたびに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と音がし(喘鳴)、夜中から明け方にかけて咳が強くなります。
風邪をひいて発熱しているときに喘息と似た症状を認める場合、喘息性気管支炎と診断します。一時的に喘息と同じ治療を行うことで改善します。
子どもの咳が
止まらないときの
対処法
加湿器で高い湿度を保つ
喉が乾燥していると咳が出やすくなるので、加湿器を使用しましょう。
加湿器がない場合、部屋干しをすることで比較的湿度を高めに保つことができます。
禁煙
タバコの煙が原因で咳が悪化します。お子さまに症状があるときは、特に禁煙をおススメします。
小児科を受診する
「何が原因で咳が出ているのか?」を確認するためにも、小児科を受診するようにしましょう。