子どもの心雑音
心臓の音(心音)は「ドキドキ、ドキドキ」と聴こえます。ですが、心雑音の場合、「ザーザー」という音が聴こえて、原因によって大きさや聴こえ方は変わります。
心雑音がある時、心臓や血管に問題が起こっている可能性があるので、それを確認するために詳しく検査していきます。
健常児でも心雑音は
聴こえる
健康な子どもにも心雑音が聞こえることがあります。これを“無害性雑音”と言います。心雑音が聴こえても必ずしも病気とは限りません。
原因
無害性雑音(機能性雑音)
心臓から雑音が聴こえると言われると「病気では?」と心配になりますが、必ずしもそうとは限りません。無害性雑音の原因は明らかではありませんが、お子さんの心臓が力強く動いているため、心臓から送り出される血液量が多かったり、血液の流れる速度が速いために聴こえるものと考えられています。発熱や運動で心拍数がはやいときにも聴取されることがあります。
先天性心疾患
生まれつき心臓に病気があって心雑音が聴こえることがあります。成長とともに次第に雑音が大きく聴こえてくるもあり、健診や予防接種時に、心室中隔欠損症や肺動脈狭窄症、動脈管開存症などが発見されることがあります。
心筋症
稀ですが、心筋症などにより心雑音が聴こえることがあります。心筋症は徐々に進行していくため、学校健診で「心雑音が聴こえる」と言われたら、当クリニックを受診して詳しい検査を受けてください。
先天性心疾患
100人に1人の赤ちゃんにみられ、生まれつき心臓の構造や血管の走行に異常が見られる病気です。最近はお腹にいるときから診断ができるため、出生後、早期に対応ができ、元気になったお子さんと一緒に過ごせるようになりました。
症状
先天性心疾患は“チアノーゼ性心疾患”と“非チアノーゼ性心疾患”に分けられます。
チアノーゼとは、顔色が悪く、唇が紫色になる状態のことを言います。
チアノーゼ性心疾患
- ファロー四徴症
- 完全大血管転位症
- 三尖弁閉鎖症
- 肺動脈閉鎖症
- 単心室症
など
非チアノーゼ性心疾患
- 心房中隔欠損症
- 心室中隔欠損症
- 房室中隔欠損症
- 動脈管開存症
など
お近くにお住まいの方はご来院ください
- 先天性心疾患の術前、術後で薬を内服中
- その他の心疾患で通院中
- 不整脈と言われて通院中
上記のようなお子さんで、気になる症状があるけどかかりつけの病院までは遠い、ちょっと風邪を引いたかも、など初診時に紹介状をお持ちいただければ、その後も対応させていただきます。
川崎病
乳幼児期に発症することが多い病気です。発熱、白眼の充血、唇が赤くなる、体に発疹(ほっしん)ができる、手足が赤く腫れぼったくなる、首のリンパ節が腫れるという6つの症状のうち、5つ以上にあてはまると川崎病と診断されます。4つ以下でも不全型川崎病と診断されることもあります。後遺症を残さないように、早期診断、早期治療を行うことが重要です。
症状
- 高熱
- 両方の白眼の充血
- 唇が赤くなる
- 舌にいちごのようなブツブツができる
- 体に発疹(ほっしん)ができる
- 手足が赤く腫れぼったくなる
- 首のリンパ節が腫れる
- BCGが赤くなる
原因
川崎病の原因は明らかになっていませんが、細菌の感染や、遺伝的な要因が関係しているのではないかと考えられています。
治療方法
入院して、免疫グロブリンという血液製剤を点滴で投与します。血液を固まりにくくするアスピリンというお薬を内服します。後遺症を残さないために、早期診断、早期治療が重要です。高熱が5日以上続く場合、すぐに当クリニックへご来院ください。
救急受診の目安
救急受診の目安として、こちらのサイトもご参考にしてください。